権現さま
寺田には雨乞い祈願に鰊(にしん)を供えるならわしがあり、次のように語り伝えています。「ある若者が七時雨山の権現さまサ雨乞いしたけズども、なんぼ拝んでも、一滴の雨も降らねエがったド。若者はごしぇやいで、昼飯のかで(おかず)にもってきでだ鰊を権現さまの口サ突っ込んで、『こんたにお願えしても雨降らさねえのが。これでも食らえ。』ってどなったズもな。そしたば、あれやあれやと大きな雨水おけをいくつも、ひっくりぎゃしたような雨が降り、『権現さま、もうしわけねぇごどしあんした。許してくだせえ』とあやまりながら一目散に山を下りだズもな。それからだど、雨乞いには鰊を供えて祈願するようになったのは。」
名称
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権現さま
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よみ
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ごんげんさま
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分類
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伝説・民話
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