安比川上流の左岸の段丘上に位置しています。安比川と打田内川の合流点を眼下に、南の荒屋新町方面、北の浄法寺方面、西の田山方面からの交通の結節点を睨む要衝にあり、確認できる範囲の縄張からは小規模な単郭とみられますが、目名市館と同様、戦国期にかけて発達した築城技術が窺われます。段丘の西方の上野ノ山まで約1kmの緩やかな丘陵一帯は、縄文時代から弥生時代、平安時代までの遺構・遺物が出土する「有矢野遺跡」であり、安比川上流域でも長期にわたる集落の営為が解明されてきたところです。